パニック障害の経過について [パニック障害の経過]
パニック障害発症の時期はいろいろですが、パニック障害は
早期成人期(10代~20代)が多く、米国の調査では後期青年期と
30代半ばとの二つの山があるといわれています。
発症後の経過は、寛解と増悪をくりかえす慢性経過が一般的です。
パニック障害や不安障害はほかの精神障害の併存が多いことも特徴の
ひとつですが、そのことも経過に影響を与えます。
⇒パニック障害に併発の恐れがある病気
とくにうつ病(大うつ病や気分変調性障害)、二次的うつや統合失調症
アルコール・薬物依存、パーソナリティ障害などが加わると、症状が
悪化し経過が長引くことが分かっています。
初診時までの罹病期間が長い、ソーシャルサポートが乏しい、といった
環境も経過を長引かせる要因とされています。
慢性精神疾患に共通することですが、パニック障害や不安障害は症状
そのものによる苦悩だけでなく、能力障害や機能障害が仕事や日常生活へ
与える影響が問題で、QOL(Quality of Life, 生活の質)の低下を招き、
その程度はうつ病にも劣らないといわれています。
従って、治療では症状を軽減させるだけでなく、症状があってもそれを
制御しながら、仕事や日常生活をいかに維持していくかが重要な目標に
なります。
⇒うつを改善・克服【うつ病の治療法】