パニック障害治療(投薬治療)のポイント [投薬治療]
パニック障害克服のポイントは、『パニック発作』を予防したり
抑えたり再発を防止することになります。
ですから、パニック障害治療薬として主に使用されるパキシルなど
『抗うつ薬』と『抗不安薬』のいづれか又は両薬剤を使用します。
新しい抗うつ薬として、1999年から2000年にかけて、
セロトニンの再取り込みだけを阻害する第三世代の抗うつ薬
といわれる【選択的セロトニン再取り込み阻害薬・SSRI】
が登場したことで、パニック発作に対して効果が認められて
いるものがあります。
その後、新しいタイプの第四世代抗うつ薬と呼ばれる
【セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)】
が、2000年に発売されました。
このSNRIは、セロトニンとノルアドレナリンの両方の
再取り込みを阻害し、副作用も少ないといわれており、
今後パニック障害治療に大いに期待されています。
パニック障害において、今までの治療に使用されていた薬は、
【三環系抗うつ薬】と呼ばれ、抗うつ薬の中で最初につくられた
第一世代の薬をさします。
神経伝達物質のセロトニンをノルアドレナリンの再取り込みを
阻害する作用による治療効果がありますが、便秘が起こったり
尿がでにくくなるような抗コリン作用などの副作用が強いのが
難点でした。
このような理由から、1980年以降には、これらの副作用を
緩和した第二世代に抗うつ薬が登場しています。
主な抗不安薬・抗うつ剤には次のようなものがあります。
パニック障害の投薬治療について [投薬治療]
パニック障害の治療として一般的なのが投薬による治療です。
パニック障害の症状を緩和したり、改善したりするには、
投薬治療も有効な方法です。
精神科医の処方してくれる薬も、医療の発達に比例して
以前と比べると、一段と効果のあるものが多くなっています。
ただし、症状が千差万別なので、これを飲めば治るという薬は
ありません。
担当医と綿密に相談をして、必要に応じた投薬を適時・適量
行うことが望ましいです。
投薬治療の場合は、投薬だけで完治する場合もありますが、
多くは減感作療法や森田療法、ホメオパシー ( homeopathy )
と呼ばれる精神面からのアプローチを併用されます。
投薬療法は、患者さんの症状によりまず、1週間ほど様子を見て
量を減らしたり、増やしたりしていきます。
基本的には1日3回必ず飲んでいたものが、徐々に発作や不安な時に
飲む・・・・・・・・・といったように徐々に量を減らしていき
最終的には「なしでも生活できるようになる」ことを目指します。
即効性のある、いわゆる強い薬については、多かれ少なかれ、
必ず副作用が生じます。
稀にですが、全く感じないという人もいます。
副作用の症状として一般的には、眠気、だるさなどがあげられます。
また、ふらつき、胃腸系の不快感、体重の変化などの報告もありますが、
症状がひどい場合にはすぐに医師に申し出ることが必要です。
投薬については、副作用だけでなく、場合によっては常習性も懸念
されるので必ず医師の指導のもとに飲むことが大切です。
薬の量や回数を勝手に増減したり、「そろそろいいだろう」と
途中でやめてしまったりという自己判断が一番危険です。
症状が治まったからといって薬の量を減らしたり飲むのを止めたり
すると、多くの場合病気が再発します。
細菌性の病気などでは菌が出なくなればそれが完治のシグナルです
が、心の病の場合はシグナルは何もありませんので、慎重な治療が
必要なのです。
投薬治療については、医師と相談しながら弱いものを少量ずつ試して
自分の気分を確認してみることが大切です。
その上で副作用などの症状があれば、投薬内容や方法を変える
ということも出てくるでしょう。
弱めの薬は、安全性が高い一方、急によくなったりすることはなく
効果が現れるまでに最低6週間~8週間かかる場合もあります。
ですが逆に即効性のある薬は、注意が必要なのです。
医師の指示には必ず、したがって投薬をするようにしましょう。